アパレル販売員・高山のブログ

現役アパレル店員としての体験をマンガにしています。

その「失礼致しました」は言わなくていいよ!

 

昨日のブログで、


在庫がなく現品をお渡しすることになった時も
「申し訳ございません」とは言わない。
現品はお渡しするのが申し訳ないような
欠陥品ではないはずだから。


と書きました。

 

「新しいものをお出ししますね」は言うべき?〜前編〜 - アパレル販売員・高山のブログ

 

「新しいものをお出ししますね」は言うべき?〜後編〜 - アパレル販売員・高山のブログ


同じように、本来謝罪すべきではない場面で
「申し訳ございません」
「失礼致しました」
と言ってはかえって失礼な状況は、接客中度々あります。


今回はポイントカードのお作りの例で
言葉遣いで私が気をつけていることを解説していきます。


ポイントカードを勧めるのは「失礼」?


「ポイントカードはお持ちですか?」
「いいえ」
「全店でお使いいただけ、すぐにお値引きにも使える
お得なカードです。お作りになりますか?」
「大丈夫です」
「失礼致しました」


よくレジで聞くやり取りですね。


この最後の「失礼致しました」って、必要ですか?


私は以前いたお店で、同じように
「失礼致しました」とお答えしていたら
先輩から指摘をもらいました。


「お客様にとってお得なカードをお勧めするのは悪いことじゃないよね。
たまたまそのお客様には必要なかっただけだから、謝るのはおかしいよ」


そうなのです。
「失礼致しました」と言ってしまうと、
お客様によっては
「あなたはなにか私にとって失礼なものを勧めようとしていたの?」
と捉えられてしまいます。


なので私は先程のようなやり取りの時は、
「失礼致しました」の代わりに
「かしこまりました、またの機会にご利用ください」
とだけお答えしています。


ひとつひとつの受け答えも、積み重なればお買い物体験の印象に。


「そうは言ってもレジでのたった一言。
なんか聞き慣れてる言葉の方が良いんじゃない?
お客様もそこまで気にされないよ」


そんな意見も分かります。
「失礼致しました」とお答えしても、
「そのポイントカードは何か失礼なの?!」
と怒り出す方はあまりいらっしゃらないでしょう。


ですが、もし接客の最初から最後まで
同じような声かけをされていたら?


店内を回遊されるお客様とすれ違う時に
「失礼致します」
ファーストアプローチしたけど、早かったかな
「失礼致しました」
接客中、お客様の普段の生活ぶりを伺う時に
「失礼ですが...」
ご試着時にフェイスカバーをお渡しする時も
「こちら失礼致します」


お店に入ってから何度も「失礼します」と声をかけられたら...
その日のお買い物に対して気持ち良い印象や楽しい印象よりも、
遜(へりくだ)られた、恐縮された、そんな印象が残りませんか。

 

意識していなくてもBGMが気分を高めたり沈めたりするように、

繰り返し使われる言葉は少しずつ人の心に影響します。

ポジティブな言葉をかけられた花の方が

ネガティブな言葉をかけられた花よりよく育つというのは、

多くの方がご存知かも。

 


つい「失礼致します」「申し訳ございません」を言ってしまう場面は、


「ありがとうございます」などの言葉に置き換えたり、
明確に「こちらをお使いください」など意図を伝えることで、


お客様のお買い物体験を明るいものにしていきたいですね。


そして本当に謝罪の気持ちや、ちょっとお手間をおかけするな、という場面では
しっかりと心を込めて「失礼致します」「申し訳ございません」を
お伝えできればと思っています。

 

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