アパレル販売員・高山のブログ

現役アパレル店員としての体験をマンガにしています。

ファーストアプローチのNG言葉・3選

接客のファーストアプローチ...迷いますよね。

新米販売員の方と話すと必ずと言っていいほど
「最初ってどうやってお声かけしたらいいんですか」
と聞かれます。


以前からこちらのブログでも
何度かファーストアプローチについて書いていますが、
今回は「NG言葉」という視点からとりあげていこうと思います。


NG①
「今日はなにかお探しですか」
「なにかお手伝いできることありますか」


色々なお店で販売員をしてきて
色々な先輩から指導していただきましたが、
この言葉を良しとしている方には会ったことがありません。


「特になにも探してませんけど」
「手伝って欲しいことはないです」


そう言われてしまったら終わりだからです。


それだけならまだ良いのですが、


「なにか探してないとお店見ちゃだめなの?」


と思われてしまうことも。


「なにか買わされるのでは」と心配して
どきどきしながらいらっしゃるお客様に
プレッシャーを与えないような言葉を選びたいですね。


ただ例外もあって、
お客様が明らかにきょろきょろおろおろしている時、
スマホや商品タグなどを頻繁にご覧になり、
なにか探しているご様子の時。


そういった時は「なにかお困りですか」などの
お声かけでも良いかと思います。
その場合、「大丈夫です」などと言われたら
訝しがるような表情をするのではなく、
「かしこまりました、このあともごゆっくりご覧ください」
などと言い添えると良いでしょう。


NG②
「お鏡もございますので」
「ご試着もできますので」


この間ショッピングビルの中のカフェで作業をしていたら、

すぐ隣のショップの店員さんがこの2つの言葉を連発。
しかも、そのあとなにを続けるでもなく
言ってはお客様から去って行く...
新米の方だったのかも知れませんが、
ずっと耳に入ってきてつい気になってしまいました。


この言い方がNGだと書かれているサイトや本には理由として大抵
「鏡がないお店なんてないから」
「試着ができないお店なんてないから」
と書かれています。


お客様からすれば
鏡で見たければ勝手に見るし、
試着したい時にはこちらから言うから、
わざわざ言いに来ないでよ、ということなんですね。


目的なくファーストアプローチするためには
この言葉はおすすめできませんが、
「ぜひ鏡で見てほしい理由がある」
「試着が必要な理由がある」
という時に勧めるのは良いと思います。


例えば
「お顔立ちがはっきり見える色なので
ぜひお鏡で合わせてみてください」
とか
「着る方によって袖の感じが変わるので
ぜひご試着してみてください」
など。


NG③
「それかわいいですよね〜」


これは必ずしもNGとは言えないのですが...
というか、このように話しかけましょう、と
教えている会社やサイトがほとんどだと思います。
「お客様に共感する気持ちが大事です」とかなんとか。


でも私個人的には、「それかわいいですよね」って
言われるの、あまり好きではありません…
場合によっては「かわいいですよね」の言い方で
「もうこの販売員さんやだ!」と思ってしまうくらい(極端)


その一方で、「かわいいですよね」と言われても
全く嫌な気にならないどころか
「この販売員さんとなら話したいかも」
と思える時もあります。


その違いは
「どこがかわいいのか伝えてくれているかどうか」です。


「それ模様が個性的でかわいいですよね」
とか
「それかわいいですよね、特に襟のデザインがおすすめで〜」
とか。
ここから機能や着こなしの話に繋げてくれるような。


そうでないと、ただの枕詞として
「それかわいいですよね」と言っているだけだな、と
思ってしまうのです。


かわいいと思うお客様の気持ちに共感することは大切です。
逆を言えば、1番大切なお客様の気持ちに
形式だけ共感しておくか、という態度が見えると
お客様も不信感から心が開けなくなってしまうのです。



さて、私が思うファーストアプローチのNG言葉3選をご紹介しました。


気づかれた方も多いと思いますが、どの言葉も絶対NGではなく、
伝え方によってはOKなのです。


共通して言いたいのは、
「結局あなたは話しかけてなにがしたいの?」
ということ。


どうお客様を手伝いたいのか?
なぜご試着してほしいのか?
なぜかわいい気持ちに共感できるのか?


こういった目的があれば、細かな言葉遣いは
難しく考えなくてもいいんじゃないかとも思います。


以前こんな漫画も描きました。

 

自粛後に気付かされた販売員として大切なこと - アパレル販売員・高山のブログ


ただ現状だと
「結局あなたは話しかけてなにがしたいの?」の答えとして


・先輩に言われたから
・話しかけるのが仕事だと思っているから
・話しかけないと自分の売上成績にならないから


と販売員の方が思っても仕方ない構造に
なってしまっているんですよね...。


これに関しては新米販売員の方が悪いのではなく、
アパレル接客のあり方が変わらないといけないなと思います。


最近の傾向であるSNSにおける販売員のコンテンツ化や、
オンライン接客、イメコン知識を活かした接客が
現状打開のきっかけになるのではと期待しているのですが...


その話はまたなにかの折に。
それでは本日はここまで。次回をお楽しみに〜

 

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