「お間違いないでしょうか?」は間違い?!
商品のサイズや色を確認する時、
お支払い方法を伺う時、
ついつい言ってしまいがちな
「お間違いないでしょうか?」
「お間違いありませんか?」
この言い方、私は聞く度にもやもやしてしまうのですが...
果たして正しいのでしょうか?
◆結論→間違いです!
結論から言ってしまえば、
「お間違いないでしょうか/ありませんか」という表現は
正しくありません。
なぜなら、この言い方だと
お客様が「間違っている」かどうかを確認する
ことになってしまうからです。
サイズや支払い方法を確認する時、本来であれば販売員側が
「私の理解に間違いはありませんか?」
という姿勢であるはずです。
恐らく「お間違いありませんか」と尋ねる販売員さんたちも、
そのつもりでいるのだろうとは思うのですが...
「間違い」に「お」を付けている時点で、
お客様の「間違い」になってしまうのです。
お客様に向かって「あなた、これ間違えてません?」
と伺うのは失礼ですよね。
◆では正しい言い方は?
それではなんと言ったら正しいかというと、
「よろしいでしょうか」
が適切です。
「Sサイズでよろしいでしょうか」
「お支払い方法はこちらのカードでよろしいでしょうか」
などと使えます。
これだと、お客様ではなく「私が」正しく理解しているでしょうか?
という表現になります。
【補足】ネガティブな言葉を避ける
「お間違いありませんか」は、
お客様の間違いを確認するようで失礼だからNGということは、
多くのマナー本やサイトにも書いてあります。
ですが、私が「お間違いありませんか」という言葉に
もやもやとしてしまうのには、もうひとつの理由があります。
「間違い」という言葉がネガティブだからです。
以前、「失礼致しました」という言葉を連発してしまうと、
お客様のお買い物体験そのものが
ネガティブになってしまうと書きました。
その「失礼致しました」は言わなくていいよ! - アパレル販売員・高山のブログ
また、こんなことをつぶやいたこともあります。
よくおめでたい席では避けたい言葉、忌み言葉があるとされますが、
楽しいお買い物の席でも、無闇にへりくだった言葉や刺々しい言葉、
不安を感じさせる言葉は避けたいと思っています。
一連の接客の流れが綺麗な絵巻のように流れるとして、
その中に少しでも濁った色を入れたくないのです。
例えば、私は以前、お会計の前に商品の状態を見ていただく際に
「キズなどないかご確認いただいてもよろしいでしょうか?」
と言っていました。
ある時気づいたのですが、「キズ」という言葉には
ネガティブなトゲのある響きがあるのです。
スタッフ間でB品のことを「キズ品」などと言っていたせいで
言葉遣いが引っ張られていたのでしょう。
ですが、売り場では...少なくともお客様の手にわたる
商品について言及する際は避けたい言葉に思えました。
それ以来は、
「ほつれ、ひっかけ」など具体的に表現する
「不具合はありませんか」
「状態をご確認いただいてよろしいでしょうか」
など多少でも柔らかい表現にする
などしています。
ちなみに「気になるところありませんか?」だと
お客様が「神経質だと思われたら...」と言い出しにくそうなので
言わないようにしています。
◆まとめ
以上、本日は「間違いありませんか?」の表現についてまとめました。
と言っても、後半の細かいこだわりの部分の方が
長くなってしまいましたが...
販売員なら必ずここまで言葉にこだわらなければいけない、
というわけではありません。
その場の雰囲気を作れるか、正しい商品知識を
お伝えできるかの方が大切かと思います。
とはいえ私は言葉のひとうひとつに細かく気を配ることで
お客様の反応を変えられるところに接客の醍醐味を感じています。
言葉が相手に与える印象に敏感で
推敲することが好きな方ほど、
販売員に向いているのではないかと思ったりもします。
(私自身、大学での専攻は文学でした。
言葉を吟味することが好きだったからこそ販売員になった一面もあります。
求む!読書好き!)
それでは大変長くなりましたが、次回の更新もお楽しみに〜!