アパレル販売員・高山のブログ

現役アパレル店員としての体験をマンガにしています。

入店復活の兆し

 

私が勤めるショッピングビルは、

5月までコロナ対策のために休館していました。
営業再開してからも、リモートワークによる需要減や
外出そのものを控える動きの中で昨年ほど賑わいませんでした。
一番ひどい時は入店客数も売上も、昨年の4分の1ほど。
暇だね...と言い合いながら誰も覗かない鏡を
拭き続ける日々でした。


今週になり、急に気温が下がり、台風も接近してきました。
コートやニットをお求めの方、レインシューズをお求めの方。
春夏よりも外出自粛も緩和傾向にあるのか、
お買い物をされる方がぐっと増えました。


今日は久々に、コロナ流行前のような忙しい土曜日でした。
もちろん感染対策を徹底しつつも、
賑わいを取り戻したお店の姿に胸がいっぱいでした。


出入口付近に立っていると
「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」
のご挨拶が追いつかないような出入り。
ふとした時にラックや棚が空っぽになり、慌てる品出し隊スタッフ。
やっとお店が、服が、息を吹き返したのでした。


この数ヶ月、たくさんの春夏服が誰にも着られることなく
値下げし、再値下げし、アウトレットへ出荷されていたのです。
そして静寂の店頭にいるとつい、
どこかのお店がなくなってしまうかもしれない、
誰かが会社を去らなければならないかもしれない、
そんな嫌な思いを巡らせてしまうのでした。


私の会社は(恐らく他のどの小売でも)
「お客様が一番」という社訓なり社是なりを掲げているのですが、
今回それを身にしみて感じました。
どんな商品を用意しても、私たちがどんな気持ちで待っていても、
お客様がいらっしゃらなければなににもならないのです。
お客様が全てなのです...。


以前にも、服は人が着てこそ真価を発揮するという記事を書きましたが


服が1番美しい時 - アパレル販売員・高山のブログ


今日は久々に、服たちがお客様に纏われて
最大限に輝く瞬間を目にしました。

 


しかしこれは今日だけのことかもしれません。
明日はお客様がいらっしゃらないかも。
いつまた休館になるかも分からない。

急に寒くなったからニットが売れているけど、
前倒しになっただけなら冬はまた閑古鳥?


コロナ前の安定していた来店も、
休館明けすぐの落ち込みも、
今日再びの賑わいも、
「天候、社会情勢、館そのものの集客など
外的要因にまかせっきり」であることには変わりないのです。


自粛明けの閑散期にも、集客を外に委ねきらず、
自らお客様を呼ぼうという販売員の姿を見ました。


「あなたとお話がしたくて」というような顧客様との関係を
以前からずっと温められてきた方。
SNSを利用して、リモートワーク中のおすすめを発信される方。
一度いらっしゃったお客様の再来店を促そうと
接客やDM送付に励む方。


コロナだから、ではなく、本来販売員は
こうでないといけないのかもしれません。


先日、以前より何度もご紹介している
四元亮平さんのセミナーを伺った時、こんなお話がありました。


『立地の良いところに
良い販売員を配属させ
良い商品を並べれば勝てる。
そんなアパレルのやり方はもう終わった』


以下参考にどうぞ。

『スマホひとつで最高の売上をつくる接客術』感想 - アパレル販売員・高山のブログ


今後は、お客様にどうご来店していただくかを考えなければいけない...
つい先日伺ったばかりのお話が、今日店頭で身に染みました。

 


今日久々に得た充実感。
「今日はたくさん良い接客ができた」
「たくさんの方を幸せにできた」


これまで「私ができたこと」にスポットをあてて
満足してきましたが、
そもそもお客様が「来てくださるから」があったんですよね。


明日からは「いらっしゃいませ」の一言も
違った響きになりそうです。

 

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